ブログ

2022-09-16 10:30:00

■ 入管法の実務に「語学」は必要か?

外国語.jpg

 

 

 皆様いかがお過ごしでしょうか。東京・池袋の行政書士事務所エフイヴグループ、村瀬です。本日は、語学についての記事となります。

 

第1 入管法の実務と第二言語

 

 前回の記事に記載したのですが、「技術・人文知識・国際業務」で来日しているのは、ベトナム6,484人(32.9%)、中国2,702人(13.7%)、韓国1,533人(7.8%)、インド1,018人(5.2%) の順となっており、これら4か国で全体の59.6%を占めていることになります。 また、「企業内転勤」で来日しているのは、中国548人(17.2%)、フィリピン412人(12.9%)、ベトナム329人(10.3%)、スリランカ276人(8.7%)の順となっているようです(入管白書2021年版参照)

 僕が担当している入管法講座の受講生の方から、「入管法の実務をするのに、英語とかは必要ですか?」と問われることがあります。これには2つの視点から回答があります。

 

第2 実務(事務)では特に不要・コミュニケーションでは必要

 

 日本にくる外国人の在留資格を申請する先は、日本にある出入国在留管理局です。そして、書類は日本語で作成しますし、英語以外の文書には「日本語訳」を提出することが原則です。また、日本語訳といっても、翻訳の必要性があるのは「卒業証明書」とか「成績証明書」とかそのレベルです。実際、中国語や英語文書であれば、Google翻訳を駆使して僕でも翻訳できたりします(スペイン語、フランス語、ハングル語あたりは、場合によっては依頼者にお願いして翻訳文を出してもらいますが・・それでも最近はGoogle翻訳などで頑張ればできてしまうので便利な時代になりました)。

 つまり「話す」は別として、書く、つまり「翻訳」であれば、少なくとも入管法の実務(申請ベース)において困ることはありません。もっとも、出入国管理行政について論文を書こうとかであれば、英語等は必須といえます。

 一方、依頼者と直接コミュニケーションをとるためには、英語等、その人の国の言語が話せた方がよいでしょう。実際、僕の場合は、依頼者がカタコトの日本語(カタコトといっても相当コミュニケーションレベルは高い場合もある)で会話できる+人事部等、企業の担当者もペラペラだったりするので、「日本語がまるっきり話せない」というケースを除いて、コミュニケーションに困ることはあまりないのですが、それでも直接会話できたほうが「楽しい」し「信頼感」も増すのだろうなと感じることは多くあります。

 また、僕はほとんど行きませんが、外国人コミュニティの主催するパーティとかに参加したい場合、やはりその言語が話せないとつまらないでしょうね(想像ですが)。

 

第3 第二、第三言語は、やはり「永遠の勉強課題」

 

 僕が大学生の頃、こんな風説(?)がありました。「これからは通訳や翻訳はすべてIT(今でいうAI)が対応できるようになる。自動通訳機なども開発されていくから、わざわざ自分で外国語を勉強する必要性は乏しくなる」と(実際、当時の僕は「よし、英語とか語学よりも、法律の勉強だ!」と考えていました)。でもあれから20年経過して、やはり、「言語」というのは生身の人間同士がコミュニケーションをとる手段であるから、どんなに自動通訳機が発達しようと永遠に必要になるものだということを確信しています。特に、入管法の実務をしていると、目の前に、中国人、韓国人、ベトナム人、フランス人と、様々な国の人がいるわけです。英語どころか、いろんな言語を話せるようになれば、それは楽しいだろうなぁと妄想したりします。

 上述したように、入管白書によれば、ベトナム中国韓国インドとのかかわりは目立ちます。

 

《使用されている主な言語》

 

■ベトナム ・・・  ベトナム語

■中国   ・・・  中国語(いわゆる標準語として)

■韓国   ・・・  韓国語

■インド  ・・・  ヒンディー語(その他憲法公認の州の言語が21言語)

 

ちなみに、上記以外で、僕の事務所でよく出会うのは、

 

■シンガポール  ・・・  マレー語、英語中国語

■フランス    ・・・  フランス語

■ドイツ     ・・・  ドイツ語

■イギリス    ・・・  英語

 

あたりでしょうか(ほかにもありますが)。また、中国と関連して思い浮かべるのは、ロシア(ロシア語)とか。入管法の実務をするうえで、やはり目立つのは、英語、中国語でしょうかね。

 

 わが子には、学生時代のうちに語学はやっておきなさいねといいますが(笑)、順番は逆にになりましたがやろうと思えばいくらでも学ぶことがあるんですね。語学はいつ始めてもいい(たとえば、行政書士資格を取得しないと独立できないといった縛りはない)、かつ、明確なゴールがない(検定試験を除いて、合格したら終わりという明確なラインがない)。TOEICなんかもそうですが、あくなき「追及」の世界。第二言語を初めて勉強するときが1番大変で、第三言語、第四言語と増えていくうちに、語学学習はどんどんやりやすくなる・・ということを、20ヶ国語話せる方がYou tubeでおっしゃっていましたよ。

 

 

(※2022年9月16日)

 

 

 

 【資格・検定】

>>英語検定

>>歴史能力検定

>>沖縄歴史検定

>>テクニカルアナリスト

>>ファイナンシャルプランナー

 >>行政書士試験

1
トップへ戻る