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2022-09-11 00:00:00

■ 入管法の実務から広がった歴史の視点

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 「歴史」といえば、日本史a、世界史B・・を思い浮かべるでしょうか。

 

 お恥ずかしい話、僕は「歴史」をきちんと勉強してこなかった人間です(高校時代はロクに勉強していない学生だった上、日本史も世界史も暗記科目の一種として捉え、何とか中間・期末を乗り切る始末・・)。最近、小学生になった息子たちによく言う口癖は、「お金を全部だしてもらえて24時間自由に使える今こそ勉強し放題だよ!」と。僕が子供のころに言われたことと同じセリフを言っているわけです。

 

 そう。「大人」になると、「社会人」になると「時間」というのはいかに貴重かを実感させられます。僕は、行政書士試験にチャレンジしたときも社会人でした。今、小学校に通う子供たちとどこが違うかというと「時間の制約」と「経費支弁者」の2点であります。つまり、大人になると、何か学びたいなと思ったときに自分で時間を捻出して、かつ、自分でお金を払って教材を買ったり講義を受けたりしなければなりません。これが小学生の息子たちとの違い。本当に「君たち。今は、本当に好きなこと、やりたいことを、自由に学べるんだよ!」という「時間」の大切さがわかるわけです(あのときやっとけばよかったかなとは思いますが、まぁ、今からやればいっかとも思いますので後悔という後悔はありませんが)。

 

 それはともかく。僕が歴史とか語学に興味関心をもったのは、入管法の実務、つまり日頃、行政書士の仕事をつうじて様々な国の方々(外国人と表記します)の在留資格を申請する仕事をしてからです。

 

 誤解を恐れずいうと、僕は行政書士になる前は、外国人についてあまりいい印象はありませんでした。それこそ小・中学校の頃は、岡山県倉敷市で育ちましたから、たとえば在日の方の被差別部落の話だったり(そういう地域が近くにあったため)、「人権」の話だったりが、当時の「公民」の授業ではしばしばなされていましたし、今にして思えばどこか偏った(お年寄りの先生の考えが入った?)歴史観の授業だったようにも思います。だから、まだ未成年の頃は「なんかあっちの地域の方は行ってはいけないところらしい」と浅い意識ではありますが、あったように思います。僕が本当の意味で、きちんと「人権」や「歴史」を学ぶのは、行政書士試験など法律系国家資格試験をつうじて、憲法や行政法、そこで学ぶ判例などによって、部分的ではありますが日本の歴史を読んだあたりからです。

 

 ところが、「在留資格」の申請をつうじて出会う多くの人、たとえば、それは中国人であったり、韓国人であったり、ベトナム人、フランス人とたくさんいて、そのたびに思うことは、個々の人たちについては外国人も日本人も差を感じなかったということです(もちろん、文化・慣習に基づく差だったりはありますが、たとえば「反日」というキーワードは個人間ではでてきません)。だから、日頃本当に感じるのは、メディアがたとえば「反中」とか「反韓」と言っていても、「国」をひとくくりにしてその国の「人」たち個人を否定したり批判したりしてはいけないということです。この仕事をしていると少なからず「国」をひとくくりにして一律否定という場面に出くわします。

 

 「在留資格」に関連する仕事をしていたからこそ、外国人と関わる機会が増えた僕も歴史に興味を持ったきっかけがあります。僕は、沖縄が好きです。学生時代や資格試験受験時代は、ほぼ毎年のようにいっていましたし大好きな県の1つです。どんなに辛い仕事、受験でも、沖縄の海やゆっくり過ぎる沖縄の街で過ごす1週間ですべて洗い流される気分でした。

 

 まだ僕が開業するかしないかの当時(・・今も続きますが)、普天間基地移設問題がニュースで大々的に報じられました。また、米兵による少女暴行事件も沖縄県民の反基地感情をエスカレートさせました。沖縄の旅(本島も離島も含め)で訪れる土地の一部では、明らかに「中国」を感じる景色が広がっていましたし、某メディアは「中国は沖縄を狙っている、むしろ、沖縄を取り戻しにきている」とも報じたりしていました。そこから僕は、沖縄戦のことや、首里城のこと、さかのぼれば琉球処分と、あの綺麗な沖縄の景色の裏にみえる「歴史」をみていました。

 

 そもそも沖縄県はいつ日本のものになったのか?その経緯は?沖縄県になる前の琉球王国ってどんな歴史を辿っていたのか?中国はまるで沖縄を自分の国のように言っているけれど、なぜなのか?

 

 僕は日本・沖縄が好きだからこそきちんと歴史を学ばなければと思いました。日頃、中国の方と仕事をつうじて関わるたびに、彼らの勤勉さというか、よくも悪くも相手のことを調べ尽くす姿勢は見習わなければとも思い知らされます。沖縄のことを見るほど見るほど、琉球王国の成り立ちも、中国のことも、あるいは、アメリカのことも、もっと知りたいと感じますし、彼らのことを知るためにも、英語や中国語は学生時代にやっておくべきでしたね(笑)

 

(2022年9月11日)

 

 

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